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二〇〇〇年十一月、十二月の日記

十二月三十一日


　いや、随分と間が空きましたね。
　十一月十二月の日記と言って、十二月が空白というのも心苦しいので、穴埋めさせてもらいます。

　コミケ初日、行きましたよ。「ONE卒業文集（仮称）」のメンバーのみなさんに会いましたさ。まったりとした後、有志で飲みましたさ（何故か、主催者であるはずのC.F.氏とくわね氏とは不在（ｗ）。やま氏曰く、文章から受けるイメージと実際の本人から受けるイメージとのギャップが非道いとのこと。何ですか、それ（苦笑）。私のこと、もっと繊細な文学青年か何かだと思っていましたか、みなさん（苦笑）。「こんなにはっちゃけた人だとは思わなかった。詐欺だって」なんですか、それ（謎）。いや、いいです、それ、昔オフ会開いたとき、りら氏にも言われたことです。もう慣れました（しくしく）。
　ま、それはともかく、『ONE』についてかなりつっこんだ話が出来て、楽しかったです。

　これだけ。

　ちなみに、コミケ二日目は、コミケに行かず、友人と喫茶店でまったりしていました。
　風邪のひきはじめで、人混みの中には行きたくなかったのです。なにせ、今回は、男性創作系と同人ゲーム系が同じ日だものなあ…。十八万人の人混みをかき分ける気力などありませぬよ。これといって欲しいものがあるわけでもないし。
　この選択は大正解。友人と別れた後、とたんに、膝にがくんときました。うわ、私も衰えたな…と思った一瞬ですよ。確実に風邪で体力が奪われていたんですねえ…。

　おお、私の日記にしては珍しく、ただの近況報告になっている（驚）。

J-F・リオタール著、管啓次郎訳『こどもたちに語るポストモダン』ちくま学芸文庫

　とりあえず、ポストモダンとは、「解放する行為それ自体」らしいです。

十一月二十八日

　最近私の心を奪うもの。
　それは、物語の表現はどのようになしえるか、なのです。
　ゲームとしてみた意思決定の面白さとか、限りない自由度とか、そんなのは割とどうでも良いことで、ただひたすら、物語として面白い物とは何か？それだけを探求し続けている日々なのです。
　私がTRPGの意思決定や自由意思を尊重するのも、結局、それがTRPGという物語表現の特徴であることを理解した上でのことであり、それ以外に優れた物語表現が思いつけるのであれば、割と簡単に意思決定や自由意思は無視すると思うのです（いや、というよりも、TRPGに自由意思など無いというのが、自分の中での定説である節がありますが）。さらに、ゲームのルールも、割と自分の都合の良いように再解釈してしまいますね。私がGMであれば。
　結局の処、そこにあるのは、私が面白いものを「ゲーム」ではなく「物語」に求めるからなのでしょう。
　少なくとも、TRPGやコンピューターゲームの世界では、それ（TRPGやコンピューターゲーム）が物語表現足りうる…White氏の言葉を借りれば「ゲーム表現」…という視点が軽視されすぎていたのだと思います。だからこそ、今現在どちらの世界でも、異端といえる作品が続出している訳なのです（TRPGで言えばN◎VA、ゲームで言えば『ONE』）。でもまあ、私からすれば、異端でもなんでもなく、それが「ゲーム表現」という物語表現を採用した物語である限り、ある意味論理必然の到達点であると言えると思うのです。
　とかなんとかいうことが、「ONE卒業文集（仮称）」や「N◎VAの革命は届いたか？」（含むマジカルN◎VA）で書ければいいなあとか思う今日この頃です。
　うむ、まとまりがない文章ですね。
　この文章、どの文章を受けたかと言えば、雪駄氏のここについてです。
　ああ。個人的には何だか久しぶりに壊れ系のテキストを書いたような気がします。…本当は、こういう壊れ系の文章は書かないと自分に固く誓ったんですけどねえ（それとも、まだ全然壊れ足りないかな？）。

　ところで、「EAT-MAN　TRPG」私もプレイしてみたいですから、ルールください、White様（謎）。

　しかし、それにしたって、馬場秀和のＲＰＧコラムの『コンビニRPGを求めて』のコラムは非道いと思う。
　ここで言うコンビニRPGの路線って、まさに、N◎VA以降、FEARが目指している路線そのものではないですか。特に、『トレイダース！』や『S=F』がまさに目指しているものそのものです。そうでなくても、『N◎VA』のフェイズやシーンの概念、社会戦のルール化やシーン進行の手順に関するルール化など、すべて、まさにTRPGのゲーム性を高めようとする行為そのものです。どうやら、馬場氏は国産のTRPGに対するリサーチ無しに考察を重ねているようです。正直、この姿勢は非道いと思います（いや、だったらお前も海外タイトルに対するリサーチがないじゃんとか言うつっこみは無しね…って、非道いこと平気で宣うなあ、私（苦笑））。

　マジカルN◎VAのレギュレーションを、読みやすいように全面的に再編集しました。内容的には、変更していないはず…だけど、忘れました（苦笑）。みなさん、どうか、ご確認ください。私のレギュレーションについてのコンセプトも併せて掲載しています。

十一月二十一日

　修論案の発表も終わり、一安心の火塚です。
　で、まあ、情況整理ということで、現在の私の成すべきことをまとめてみましょう。

・修論「エンドユーザーの著作物使用」
　自分でいうのも何ですが、今までの著作権法学会の流れを覆すような内容になる予定です。従来の、著作権者の視点ではなく、著作物使用者側の視点に立った、まったく新しい提案になる予定。
・「ONE卒業文集（仮称）」
　テーマは、『ONE』の演出についてです。従来の写実主義に乗っ取った文学表現ではなく、幻想主義に乗っ取った『ONE』の演出の特異性を明らかにしようと思っています。これも、今までのネット上での『ONE』論評を根底から覆すような発言になる予定。
・「N◎VAの革命は届いたか？」
　RPG日本や掲示板２での議論を通じ、TRPGを文芸論・物語論から再構成しようという意欲的な試みです。やはりこれも、馬場秀和のゲームマスター講座をはじめ、ゲーム論の視点のみで論じられてきたTRPG論を根底から覆す考察になる予定。さらに、TRPG界に見られる写実主義偏重の風潮を打開しようという魂胆もあります。
・マジカルN◎VA
　実をいえば、これ、「N◎VAの革命は届いたか？」の実践の場だったりします。いろいろと意欲的・実験的なシナリオをぶつけるつもりですので、皆様、ご覚悟のほどを（苦笑）。
　つーかまあ、そも、私のシナリオって、今まですべて、実験的な作品ばかりなんですよねえ（爆笑）。
・ペンドラゴン
　いいですよね。清く、正しく、間違った中世ファンタジーって（笑）。
　とりあえず、幻想主義の視点から、思いっきり弾けた妖精譚（ファンタジー）をやってみたいと思っている次第です。第一弾は、「人魚姫」改訂版をプレイすることです。
・『アトラク＝ナクア』をプレイする
　じかんくれ〜〜（にゃもにゃも）。

　ううむ、ちゃれんじゃーだ…（爆死）。
　今日の更新は、『ONE』『Kanon』のリンクです。「ONE卒業文集（仮称）」にエントリーしました。加えて、Cain Farrel's Factoryともリンクを開設です。

十一月十七日

　ようやく、修論に取りかかる。後、二ヶ月、時間がない。
　まあ、書くべきことはもはや完全に定まっているので、問題はないのですが…。とりあえず、発表用の目次を仕上げたので、一安心だったりします。

　ところで、最近、なぜだか不思議なことに、TRPG関係で馬鹿ヅキが続いているような気がします。オフ会に鈴吹社長がいらっしゃったり、マジカルチャットしかり、ペンドラゴンしかり、「人魚姫」をプレイしたいというご報告しかり、最近の掲示板やチャット関係での議論しかり（これで、ずいぶんとTRPGに対する考察が深まったと思っています…いつか、コンテンツにしてまとめたいのですが…）。
　そんなわけで、最近の成果、第一弾「第一回アルカナ激論」。ふふふ、我々は、文化の日に、こんなに高尚な議論をしていたのだよと嘘主張してみたり（爆笑）。

　後は、マジカルN◎VAがどれだけうまく動くかですが…まあ、期待していますぞ、PLの皆様。あ、色々ちょこまかと書き足していますから、皆様ご確認ください。

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