ご意見・ご感想・ご質問・苦情・その他萬、こちらにお願い申し上げます。
それはともかく、企画を一つ立ち上げました。
マジカルN◎VAという企画です。
マジカルチャットでN◎VAをプレイしよう!という、身も蓋もないネタなのですが、みなさん、もしお暇でしたら、是非tatuyaにかまってやってください(笑)。あれ、書くことがないや(笑)。
ところで、最近、「人魚姫」の改訂作業を始めました(といっても実際に文書を書いているわけではありませんが)。で、ふと気がついたのですが、もしかして、「人魚姫」って、『アルカナ』よりも『ペンドラゴン』の方が、システムとして向いているかもしれない(苦笑)。
十月十八日
脳内麻薬が分泌されました(嘘)。ちゃっちゃと「『ONE』のという名のファンタジー〜ファンタジーの本質〜」というコンテンツを仕上げてみました。
………ようやく、書きたいことがかけました。なんというか、これで、自分がHPを立ち上げた理由の三分の一を達成できた感じです。ファンタジーの本質に近づいてみたコンテンツです。是非、ご一読ください。
十月十三日
にゃもにゃも(黒沢先生)。
リンクをあちこち更新しました。
TRPGに関してみどり氏の四季乃甘味処と銅大氏の銅大のRPGてんやわんや、『ONE』『Kanon』に関して4月1日の魔術師氏のサロニア私立図書館、法学に関して大学時代の友人のようこそ極東ローマ帝国へと著作権関連リンク集です。
ところで、驚かされたのが、4月1日の魔術師氏がりら氏とご学友だったということでしょうか。世界は意外に狭い………。
他にも、N◎VAに関してルールで遊んでみました。N◎VAのレギュレーションについて〜火塚たつやの立場〜、達成値の上げ方、リアクションの科学、トループ、エニグマの賢い使い方の四つです。
まあ、オフ会も近づき、私の中のN◎VAコスモが燃えてきたのでしょう。
さらに、みっきい氏と『Air』について激論したときの過去ログも一挙公開!(爆笑)
最後に、雪駄氏の掲示板で公言していた、『ONE』についての論文(覚え書き)を一つ掲載してみました。タイトルは、「エゴイスティックな物語」です。
『Lien〜終わらない君の唄〜』purple報告が遅れましたが、『Lien』をプレイ終了しました。
しかし、そこで描かれた演出はいろんな意味で目を引かざるを得ません。
作品は、主人公が幽霊であるという状況から始まります。これは、考えてみれば極めて難しいこと…いきなり非常識な展開から話が始まりプレイヤーがついていけないというおそれがあります。また、話全体も、輪廻など不条理てんこ盛りです。このままでは、プレイヤーは確実に理解できないことでしょう。
これに対し、『Lien』がとった態度は、説明の放棄です。『Lien』の背後になる世界設定の説明(幽霊がどうとか、輪廻がどうとか)をいっさい放棄し、すべてを不条理ギャグで押し流すことにしました。
主人公と父親との再会からあれですし、それ以降繰り広げられる、晶のうさみみ、若葉のつっこみ、みなもとの追いかけっこ、柚のぼけぼけっぷり…すべてが小難しい世界設定を考察することを放棄させる方向に働きます。
そして、主人公以外に次々と登場する魑魅魍魎のみなさん。プレイヤーは最終的に、「あーもう、つまりこういう世界なのね。もういいよ」と思うことでしょう。
ちびキャラや画面左下のオーバーアクションな表情も、この「そういう世界なのね」という納得のために機能します。
作品を作らない人間にとってはどうでも良いことなのでしょうが、『Lien』は結構色々工夫しているなあと思わせる作品だったのですよ。
まあ、それ以前の問題として、なんだかんだ言って『Lien』が面白かったというのがあるのですが…ね。個人的には、なにも残らないみなもシナリオが一番お気に入りです。
時雨沢恵一『キノの旅II』電撃文庫『キノの旅』に続編などいらん!それが何故解らぬのか!この愚民ども!!
ところで、作者、間違いなくすさんでいますね。
ああ…あんなに良い子だったあの子がこんなにグレるなんて…とボケたくなるほど、すさんでいます。
「絵の話」「続・絵の話」とか「本の国」とか、どう考えても続編を求めた編集と読者に対する皮肉としか読めません。
個人的には、話全体に皮肉色が強まってしまったあたりが何ともかんとも…(「本の国」であれだけ批評を皮肉られたのに、それでも批評するあたりが、私の面の皮が厚いといいましょうか(ニヤソ))
いや、文句抜きで面白かったです。本当に。
『Phantom of inferno』有限会社ニトロプラスようやく、今年話題の18禁ゲーム、『ファントム』をプレイしました。
ようこそ!暴力とセックスと憎悪と復讐の世界へ!
これから貴方にとびっきりの物語をお見せしましょう!
いかしたサウンドと、丁寧な作り込みの背景、シックなキャラデザインに、徹底的なこだわりを見せた銃器類………そして、「ハードボイルド小説顔負けの重厚シナリオ」(裏表紙より)。
これぞ娯楽作品というモノの王道を見せつけてくれた作品です(ちなみに、これが小説だとこうはうまくいかないと思います。『ファントム』の勝利は、やはりテキストと音楽と画像による総合芸術であったことにつきるでしょう)。
思想的にどうこうとか、演出的にどうこうとか、構造的にどうこうという必要すらありません。
徹底的にシンプルでオーソドックス、かつ、丁寧にテキスト・作品を作り込んでいる作品です。
暴力的な描写にさえ抵抗がなければ、多くの人に受け入れられる、まさに王道と言うべき良作でしょう。
………『ファントム』は確かに良い作品だし(この作品に限っては、冗長といった要素とは無縁でした)、この手の写実的な小説の方が一般受けがよいことも解っています…が、しかし、ファンタジーの魅力にとりつかれたファンタジー読みとしては、一寸だけ寂しいモノがありますね(複雑な心境)。
追記その1:リズィ姉さん格好良すぎ!
追記その2:主人公のふにゃちん野郎!悔しかったらガッツを見せてみろ!(全章通じての、主人公の決断の甘さに対して。一見決断しているように見えながらも、実は状況に流されているだけですモノ(苦笑))
九月十三日
『Air』の評論もどきを仕上げてみました。
やっぱり、あれですかね。
シナリオライターが本気を出したというのは、ギャルゲーであることを放棄することでしょうかね?
シナリオが三部構成になっている上、最後の展開は、完全に主人公を無視した展開ですからねえ。
しかし、それって、すでにアリスソフトの『デアボリカ』とかで達成されていることなんですよね。
ううん…。
九月十一日
雪駄氏が、『キノの旅』を読んだそうです。
こうなれば、俄然、『キノの旅』について何か書かねばなりません。
『キノの旅』は、現在、友人に貸しており手元にないので不正確ですが…以下つらつらと書いてみたいと思います。それだけ、惚れ込んでいるということなのですよ。
いやあ。『キノの旅』は凄い作品ですよ。
どれぐらい凄いかって、
「………何、これ」
と、第一話を読み終わった時点で絶句したくらいです。誤解なきよういっておきますが、ほめ言葉です(笑)。
つーか、作者、こんな小説が売れると本気で思っているのか、正直不安です(ほめ言葉です)。
まさか、これほどまでの本格童話+ハードボイルドが読めるとは…。
『猫の地球儀』といい、何があったのでしょうか?電撃文庫は?(あー、『猫の地球儀』も読んでみましょう。これも、お勧めです)
はっきり言って、笑うしかありません(ほめ言葉です)。
間違いありません。
作者は、確信犯です。
大賞を受賞できるとははじめから考えていなかったでしょう。
作品としては、(私の嗜好とか、明らかに贔屓目を含みますが…)大賞受賞作の『リングテイル』以上と行っても過言ではありませんが、どう考えても、大賞を受賞できる作品とは思えません。
作品としての表現、テーマ、すべてが、明らかに電撃の路線ではないからです。いや、『リングテイル』の路線もかなり違いますが…大賞・金賞・銀賞の中で、電撃の路線に忠実だったのは、唯一金賞の『ダブルブリット』だけ、というのはすてきなことですね(笑)。まあ、それだけ、第六回応募作品のレベルが高かったということでしょう(っていうか、高いです。第五回以前と読み比べてみると、レベルの違いがわかるかと…)。
ティーンエイジ対象の電撃文庫に大人の童話を持ち込むってのは、まともな心情じゃあありません(笑)。
とにかく凄いのが、その作文技術です。
物語を書く上で一番大切なことを良く心得ています。
書きたいというあふれる情熱・感性を、理性をもってクールに処理しきっています。
例えば、「多数決の国」など、出来の悪い物書きであれば、皮肉の一つでも主人公に語らせたでしょうし、更に悪ければ、最後に作者が出しゃばり己の思想をばっと捲し立てたところでしょう。これは、皮肉を書きたいというあふれる情熱に流された結果です。己の感性に酔うという、物書きがもっともしてはならないミスに陥っています。
しかし、『キノの旅』は、実に素っ気なく、多数決の結果だけを書いています。そして、主人公は、ただ、武力をもって(多数決ではありません!)、町を後にします。
他にも、「レールの上の三人の男」は、見事な「三数の法則」に裏打ちされています(一番のお気に入りです)。
「コロシアム」の、何度も全く同じ表現で繰り返される主人公が「ぽん」と拳銃を軽くたたく音や「ぷああ〜ん」という気の抜けたラッパの音に酔ったこともあります。ここら辺の書き方とかは、ファンタジー読みには、たまらない一瞬です(^^
あー、「コロシアム」といえば、イラストレーターの存在を忘れてはいけませんね。
イラストレーターさんのすてきなところは、「コロシアム」のカラーイラストに奥さんのイラストを持ってきたところでしょう。あの笑顔は、すてきすぎます。本文を読んでからあのイラストを見てみましょう。その背後に隠されたどす暗く渦巻く心情を想像するだけでご飯三杯はいけること請け合いです(笑)。
しかし…今回の更新分は、えらく「三数の法則」に触れたテキストが多い…シナリオ「鶴の恩返し」しかり、「輪廻の十字路」のシナリオ構造しかり。ま、良くできたファンタジーのお約束ですから、当たり前といえば当たり前ですがね(^^
(2000/9/14追記)
『キノの旅』は、jes氏曰くトルストイだそうです。
おそらく、『トルストイ民話集』岩波文庫あたりを想定してのことでしょう。なるほど、うまいことを言います。「人にはどれほどの土地がいるか」なんて、雰囲気がかなり似ているかと思います。これに対し、『ガリバー旅行記』と評する人もいるでしょう。
確かに、『キノの旅』は全く違う倫理観が支配する国を渡り歩きます。
そういう意味では、『キノの旅』と『ガリバー旅行記』とは、類似点が見いだされるでしょう。
しかし、『キノの旅』には、皮肉がありません。
「人の痛みがわかる国」であれば、人の痛みがわかった結果だけを書き、「多数決の国」であれば、多数決の結果だけを書いています。そこに、皮肉などないのです。
一方、『ガリバー旅行記』は、皮肉に満ちています。
主人公自ら出張って、訪れた国に対して感想を漏らし、批判しています。そして、如何に己の母国イングランドが優れた国であるかを強調します。
ところが注意深い(当時の)読者は、『ガリバー旅行記』に出てくる様々な国が、実は自分たちの愛すべきイングランドの一面を強調しただけに過ぎないパロディであることに気がつきます。
そして、『ガリバー旅行記』はパロディを介した大いなる皮肉であるという事実に気がつくのです。
こういう意味では、『ガリバー旅行記』に登場する国々は、その本質に何ら変わりがないと言うことにも気がつくでしょう。
この点においても、多彩な国が登場する『キノの旅』とは違うことに気が付かれるかと思います(ここを通じて、現在の日本に批判すべき対象がないという絶望を見いだす読者もいるかもしれませんが…って、いかんいかん。作品を社会問題として批評するのは私のスタンスではありません)。で、『トルストイ民話集』です。
…んー、どうでしょう?
トルストイの作風って、道徳的なんですよね…それに対し、『キノの旅』って、道徳的ですらないような気がします。
そういう意味では、『キノの旅』って、ある意味まさに痛烈なファンタジーといえるかもしれないなあ。
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