ご意見・ご感想・ご質問・苦情・その他萬、こちらにお願い申し上げます。
※説明
GMは、プレイヤーたちに冒頭の語りを見せた上で、それを朗読してください。
※目的
これから昔話の世界にいざなうことを暗示させることが目的です。恐らく、多くのプレイヤーにとって、昔話を利用したシナリオは始めてでしょう。雰囲気作りとして特に大切なシーンです。絶対に省略しないでください。
※説明
PCたちは百畳を超える応接間にいます。目の前にいる老人が、長者どんです。
長者どん「此度はわたくしの娘のために、わざわざこのような片田舎におこしいただき、ありがとうございます。先程も申し上げました通り、末娘が猿婿どんに嫁ぐこととなりました。そこで、末娘のたっての願いにより、娘が嫁ぐまでの間、皆様に娘の護衛をお願いしたしだいでございます」
ここで、長者どんが手を打って、女中に命じます。
長者どん「お末をこれに」
暫くすると、お末がしずしずと入ってきます。手を畳につけ、
お末「末でございます。此の度は、末のためにわざわざご足労を願ったとのことで、厚く御礼申し上げます」
お末「婚礼の儀までにもしものことがあれば、猿婿どのに顔向けができないというだけでございまして、まあ護衛と申しましても形式的なことでございます」
お末「ふふ…、皆さまの実力でしたら、一人護衛がいれば十分でございましょう。まあ、このような片田舎では、何もございませんが、ゆるりと養生でもしてくださいまし。そうですわ、この村には温泉もございますのよ。どうかお入りくださいませ。旅の疲れも癒えましょう」
※目的
ヒロインお末との顔見せです。NPCの章のお末の説明の個所を、よく読んでイメージを固めておいてください。
ここでは、お末が護衛にこだわっていないことを強調しておいてください。できるだけPCが一ヶ所にじっとしない動機を与えるのが目的です。とはいえ、≪天羅万象≫においては、プレイヤーはストイックなプレイに走りがちです。恐らく、律義にもさっそく全員で護衛をしようとするでしょう。まあ、そのときはそれでかまいません。
ここで、「本当に婚姻を望むのか」など、お末に質問をぶつけるプレイヤーがいるでしょう。そのときは、シーン8を参考に答えてあげてください。ただし、ここでは、お末は決して本心を明かそうとはしません。受動的に当り障りのないことを受け答えするだけです。そりゃそうです。肉親がいる前ですから、不用意なことを言って気取られでもしたら大事です。ここでの質問は早めに切り上げてください。
中には、さっそく『一番大切なものの死』を振った上で、『お末を守る』などの因縁をとろうとするつわものがいるかもしれません。いい感じです。
※説明
お末の婚礼の前祝と、PCたちの歓迎をネタに、宴会が開かれます。
場所は先程の大応接間。お末と長者どのは主催者として下座にいます。PCたちは主賓として上座に座っています。
すでに宴もたけなわで、村の有力者たちが、主催者・主賓を無視して、飲めや歌えやの大騒ぎをしています。
その中で、村の若い者に囲まれてちやほやされているのがお次。旦那と仲睦まじく語り合っているのがお長です。
そこに、長者どんが、徳利を持ってやってきます。
長者どん「皆様、どうでしょうか?お楽しみいただいておりましょうか?」
暫くの後、お末は気分が優れないと、長者どんに耳打ちをして自室に戻ります。
※目的
これで主要NPCが一通り勢ぞろいしました。このシーンの目的は、プレイヤーが接触すべきNPCの範囲が確定したことを知らしめるところにあります。
次に、シーンを強制的に進めることで、情報収集を二日目以降に遅らせるという目的があります。
さらに、お末がこのような宴会の場が苦手であることを理解させることも目的です。ストイックなプレイヤーの皆さんのことでしょう。これ幸いと、お末の護衛に向かってくれるはずです。シーン6:日記で思う存分に因縁を稼いでくれることでしょう。
※次のシーン
シーン4:月光
外をぶらついたり、お末の護衛に向かったりするなら、シーン4へ。
長者どん、お長、お次と会話するならば、シーン9、10、11を参考にしてください。
そうでなければ、シーン7へ(二日目)。
※説明
宴会場から出て、ふと空を見上げると、きれいに弧を描いた満月が見えます。その淡い光は、すべてを平等に、優しく照らします。
丘の下に広がる村の家々は長者どんから振る舞い酒がなされたのであろうか、いまだに灯りがともり、遠くから人々の喧騒が聞こえます。
※目的
雰囲気作りです。次のシ−ンへのつなぎなので、シーンを切らずに連続して演出してください。
※次のシーン
シーン5:庭園
外をぶらつくなら、シーン5へ。
お末の護衛に向うなら、シーン6へ。
※説明
宴会を抜け出したお長かお次が声をかけてきます。シーン10、11を参考にしてください。
無宿、世捨て人、少年、姫、法師、外法師、僧兵崩れには、お長が向いています。
それ以外のアーキタイプならば、お次を出して、さっそくからかってやりましょう。
お長「あの娘をどうか、よろしくお願いいたします」
お次「あれあれ、なにそんな思いつめた顔しているの」
※目的
お次とお長の顔見せです。NPCの説明の個所をよく読んでイメージを固めておいてください。暇を持て余しているプレイヤーに対処するためのシーンであり、特に渡すべき情報もありません。シーンとして省略してもかまわないでしょう。
※次のシーン
シーン6:日記
お末の護衛に向うなら、シーン6へ。
そうでなければ、シーン7へ(二日目)。
※説明
お末の部屋は離れにあります。隣接した部屋はありません。
お末の部屋は障子で閉じられています。行燈の灯りに照らされて、お末の姿が影絵のように障子に映っています。お末はどうやら、何か書きものをしているようです。
何を書いていると聞けば、「日記ですわ」と答えます。
プレイヤーが何も質問しないならば、「そう言えば、何々さまは日記を書かれないのですか?」と、お末に言わせてください。
夜だからでしょうか、緩やかに時が流れます。
後は、シーン8:お末を参考にしてください。ここでお末に、『死別が意味するところ』を問い掛けさせてください。
※目的
お末が日記を書いているということをプレイヤーに知らしめてください。シナリオにおいて日記が出てくる、ということはそれがシナリオを解く鍵となるということと同義です。これでお末の部屋に忍びこむ動機を、十分に与えることとなるでしょう。重要なシーンです。必ず演出してください。
※次のシーン
シーン7へ(二日目)。
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