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密かに私が、神業の中で最強と思う神業のひとつです。
どんな状況においても、確実に逃げ切れる(というほど絶対でもないところが、また面白いところですが…)。N◎VAのように、近未来アクションをテーマにした作品においては、相手を倒さずに逃げ切ることが極めて重要です。
それだけ強力なだけに、争いもまた多いところでしょう。
では、最大乗員数をオーバーした場合はどうでしょうか。
この点、実際の物理的な限界はあり得るでしょうが、最大乗員数をオーバーしただけで、余剰乗員が≪脱出≫できないと考えるのは、考え物でしょう。
神業は、全ての状況に優先します(神業最優先の原則)。実際、次のようなシーンなど、如何にも映画的、N◎VA的、カゼ的ではありませんか。神業ルールの趣旨、「キャラクターのスタイルを特徴づけるため」に合致します。私は、余剰乗員ごと≪脱出≫することも可能と考えます。
黒幕の罠にはまり危機に陥ったキャストたち、そこに乱入してくる一台のジープ。ジープは今にもスクラップ同然。思わぬ乱入者にとまどうトループどもを尻目に、颯爽と走り去るジープ。ジープは当然、定員オーバー、ボンネットにしがみつきつつ運転が粗いと愚痴をこぼすキャストに(乗員シートはお姫様が占拠している)、カゼは、「何なら、降りてもかまわないんだぜ」と、ニヤリ笑う。どれくらいの定員オーバーまで許容できるかは、RL裁量に委ねられることになります。(当然その後、軍用ヘリやら戦車やら、数十台に追跡を受け、壮絶なチェイス戦に突入するのです(謎))
壊れたヴィークルによって脱出可能か。
私は、それがヴィークルとしての原形をとどめている限りにおいて、ヴィークルでの≪脱出≫を認めます。
スクラップ同然のヴィークルを小突きつつ逃走するのはカゼの浪漫でしょう。神業ルールの趣旨、「キャラクターのスタイルを特徴づけるため」に合致します。
ポイントは、スクラップ『同然』であって、スクラップではないということです。ここは、完全にRL裁量となります。ゲーム的に言えば、「全損」にあたればヴィークルとはいえないことになるのでしょう。
もちろん、クラッシュチャートを要求された瞬間に≪脱出≫することも可能です。神業は、全ての状況に優先します(神業最優先の原則)。≪脱出≫に成功すれば、クラッシュチャート自体、キャンセルされたことになります。神業は、全ての状況に優先します(神業最優先の原則)。故障判定を発生させるアクションが行われる前に≪脱出≫したと考えることになります。
カゼが<ヴィークル>技能を持っていないといった、ヴィークルを操縦できないような事情全てが無視されます。神業は、全ての状況に優先します(神業最優先の原則)。きっと、何らかの隠し球があったのでしょう。それがカゼらしいと認められる限り、≪脱出≫の使用を許可してかまわないと思います。
以上から、神業によってヴィークルを壊されようが、カゼが殺されようが、≪脱出≫によって絶対に逃げ切ることは可能です。「神業の打ち消しとは、互いの神業の『効果』が矛盾することを意味」します。ヴィークルが壊されようが、カゼが殺されようが、神業は、全ての状況に優先します(神業最優先の原則)。誰も≪脱出≫劇を止めることは叶わないのです(みなさん、最後に勇敢なる脱出を遂げたヴィーグルあるいはカゼに、敬意を表して乾杯しましょう)。
生身ひとつで脱出する場合、人一人を連れて≪脱出≫する事は可能です。
ヒロインを抱え、爆風から奇跡の≪脱出≫を果たすカゼ。なんてクライマックス!如何にも、カゼらしいではありませんか。
場合によっては、本人を含めて三人までは(片手に一人ずつ抱えるわけです)脱出可能だと思います。
また、どんなにそれが巨大なものでも、それがひとつの物である限りは、その物と一緒に脱出することを認めてもかまわないと思います。神業は、全ての状況に優先します(神業最優先の原則)。その物の重さという「状況」すら無視されるのです。ただ、この点については、完全に、RL裁量に委ねられます。後は、カゼらしいといえるかどうかの問題です。
以上から、私は、≪脱出≫を登場/退場判定を絶対に成功させる神業と考えます。
もちろん、私も、無条件に≪脱出≫による登場/退場判定を認めるものではありません。≪脱出≫の具体的効果は、「どんな状況」「絶対に逃げ切れる」の解釈に委ねられることになります。
≪脱出≫の面白い使い方として、要人奪取や誘拐などが考えられます。≪脱出≫は、同行者の意思を発動要件としていません。このような≪脱出≫に対しては、≪難攻不落≫≪守護神≫≪神出鬼没≫を打ち消しに使うことが可能です(≪難攻不落≫の場合は、「ダメージ」の解釈で、若干の拡大解釈が必要みたいです…何故≪難攻不落≫は「危険」から身を守れるとの記述がないのでしょう?)。
問題は、『何処』に逃げ切るかです。
例えば、宇宙が舞台のアドヴェンチャーがあったとします。アドヴェンチャーの目的は地球への生還だったとします。
この場合、≪脱出≫を宣言するだけでカゼは地球に生還可能なのでしょうか。
このような極端な例ではなくとも、例えば、要人救出がアドヴェンチャーの目的だとして、カゼが要人に接触した時点でクライアントの居るところへ≪脱出≫することを認め、アクトが終了することを認めて良いものでしょうか。
これは、結局はRL判断に委ねられるところでしょう。
ただ、≪脱出≫の効果としては、「何処」に逃げるかについては一切記述がないことに気をつけてください。
基本的には、≪脱出≫は、一時的に舞台から退場するだけで、脱出した先がどのような舞台であるかは、一切がRL判断に委ねられていることになります。例えば、戦場と化したハイウェイからカゼが一時的に退場したとしても、次の舞台が引き続きハイウェイであっても問題ないわけです。
従って、宇宙が舞台でそこから≪脱出≫したとしても、次の舞台が引き続き宇宙であっても何ら問題ありませんし、要人を救出して脱出したとしても、次の舞台で引き続き誘拐犯に追跡されていても問題ないのです(なお、少なくとも、最悪の状況は脱出できたならば、その≪脱出≫は、十分に「勝利につながる≪脱出≫」に当たります)。
以上から、『何処』に逃げ切るかという問題は、『何処』に≪脱出≫した方がシナリオが盛り上がるかという、RL判断の問題と考えてかまいません。
例えば、クライマックス中での≪脱出≫やクライマックスを避けるための機転としての≪脱出≫であれば、地球への生還やクライアント先への生還を認めてもかまわないでしょう。逆に、クライマックス中の≪脱出≫であっても、それがアドヴェンチャーを解くための手順を踏まえていない≪脱出≫であれば、クライマックスから一時的に退場しただけで、再びクライマックスを仕切り直すことになっても問題ありません。やはり、地球に生還するには、宇宙船に乗るのが一番です。その方法が、宇宙船に密航するか、強奪するか、購入するかは問わずです。生身一つで大気圏を突入することを認める必要はありません(逆に、認めてもかまいません)。
結局は、神業をどのように処理した方が面白いかというRLの判断に委ねられます。神業最優先の原則と言っても、最後はRL裁量に委ねられます。
私も、何処まで認めるかは、ケースバイケースです。
2.本当に「どんな状況」でも良いのでしょうか。
「退場」はともかくも、「妨害」「登場」は、「どんな状況」においても認められるのでしょうか。
<社会:軌道>は、まだ良いとして、<社会:ウェブ>や<社会:アストラル>を必要とする場所に登場することが「状況」として認められるのでしょうか。どちらも、ニューロとマヤカシという専用のスタイルを想定しているところから、大きな問題となります。果たして、このように専用のスタイルを本来想定しているような場所に登場/退場することが、カゼらしいといえるかです。
ここは、完全にRL裁量に委ねられるべきでしょう。
最後は、そこに登場することがカゼらしいといえるかの問題です。
私の場合は、「逃げる」「追いつく」という発想自体がカゼらしいと考え、このような場所に「登場」「退場」することも「状況」として認めます。神業ルールの趣旨、「キャラクターのスタイルを特徴づけるため」だからです。電子の世界などにおいても、カゼは≪脱出≫可能と考えます。
従って、トロン戦における逃走・追跡目的で使用された≪電脳神≫を≪脱出≫で打ち消すことは可能です。
逆に言えば、トロン戦に限り、≪電脳神≫による≪脱出≫の打ち消しもまた、可能なわけです。
アストラル界に≪脱出≫で登場したときは…退場は難しそうです(苦笑)。頑張って<門>を探し出してください。
アストラル界から≪脱出≫で退場する場合、もしその、「脱出」することがアドヴェンチャーの目的であるならば、RLは≪脱出≫の使用を却下してもかまわないでしょう。あるいは、その≪脱出≫は一時的に舞台から退場することであり、次の舞台も、引き続き『どこかの』アストラル界ということになります。
通常の肉体戦・ヴィークル戦という「状況」は、≪脱出≫により無効化可能です。これらは舞台裏では行われません。「退場」により、事実上このような「状況」も無効化できます(逆に言えば、「退場」せずには無効化はできません。これが打ち消しならば、「退場」する必要はないのでしょう)。
GXの解説により(GX147頁)、≪死の舞踏≫≪とどめの一撃≫という即死系神業から逃げることはできなくなりました。≪死の舞踏≫などの効果である「死亡」という「状況」から逃れることはできないと言うことです。まあ、暗殺者から逃れるという「状況」は、本来、ボディーガードたるカブトのお仕事です。走り屋ごときカゼがお仕事の邪魔をしてはいけません。カゼはカゼらしく。神業ルールの趣旨、「キャラクターのスタイルを特徴づけるため」にも合致します。
通常の社会戦は、表舞台裏舞台にかかわらずその効果を発揮します。社会戦という「状況」から絶対的に逃げ切ることは不可能です。大体、社会戦という「状況」から逃げ切るというのは、カゼらしくありません。もっと、肉体戦と言った、ダイハードな展開から逃げ切ってこそのカゼでしょう。神業ルールの趣旨、「キャラクターのスタイルを特徴づけるため」を良く思い出してください。
もちろん、≪制裁≫を≪脱出≫で打ち消すことは原則叶いません。
例外的に、≪制裁≫「17.逮捕令状」を≪脱出≫で無効化することも可能です(打ち消しかどうかは、RL裁量です)。
逆に言えば、≪脱出≫で追いついたカゼに対しては≪制裁≫「17.逮捕令状」が有効です。追いつかれようが、無理矢理退場させることが可能です。≪脱出≫で逃げたカゼに対しては≪制裁≫「10.盗聴」も有効です。そこで得た情報をもとに、現在地を割り出すのです。
問題は、通常の精神戦・トロン戦です。
どちらも表舞台でのみ行われます。とすれば、退場をもってダメージの無効化を認めても良いようにも見受けられます。
しかし、このような「状況」から逃げ切ることが、果たしてカゼらしいかといわれれば、多少疑問が残ります。ここの解釈はRL裁量に委ねるべきでしょう。
私の場合は、先ほどの「どんな状況」での解釈の結果(すなわち、「逃げ切る」「追いつく」という発想自体がカゼらしいということ)、通常の精神戦・トロン戦という状況からの≪脱出≫も認めます。神業は、全ての状況に優先します(神業最優先の原則)。
同じく即死系神業である≪神の御言葉≫を打ち消すことは認められません。カリスマのプレッシャーを跳ね返すという「状況」は、己の精神を極限まで鍛え上げたカブト・チャクラ・マヤカシのお仕事です。神業ルールの趣旨、「キャラクターのスタイルを特徴づけるため」からも、≪脱出≫による打ち消しは認めるべきではないでしょう。
一方、IANUS破壊目的の≪電脳神≫を≪脱出≫で打ち消せるかは微妙です。
IANUSが破壊(←「」でくくられていない点、注意)された結果、「死亡」するにすぎないことが問題となります。
最後はRL判断に委ねられることになります。
私の場合は…多少悩みますが、IANUS破壊を「」でくくっていない点を捉え、「状況」からの≪脱出≫、≪脱出≫による打ち消しを認めます。打ち消しですから、カゼは舞台から退場したことにはなりません。引き続き戦闘を続行してください。
3.経験点について。
「勝利につながる≪脱出≫を果たした」場合、経験点がもらえます。
ここで「≪脱出≫」とは、当然、「追いつく」ことも含みます。
いかなる状況をもって「勝利につながる」と言えるかは、アドヴェンチャーの目的・性質による問題でしょう。
≪タイムリー≫≪買収≫≪電脳神≫を使ってカゼのアドレスなり現在地なりを手に入れれば、≪脱出≫を打ち消しないし無効化したことになります。打ち消したか否かは、これら三者の神業の効果を何処まで認めるか、舞台を何処で切るかという問題となります。具体的には、RL判断に委ねられます。私としては、ヴィークル戦ダメージなどから逃れる≪脱出≫に対してではない限り、演出的効果から打ち消しと同様に扱ってもかまわないと思います。
打ち消しを認めた場合、シーンは変わらずカゼに追いついたことになります(ただし、「シーンを変えて、同じ状況でまたやり直しだ」という一文を読むと、自信はありません)。
無効化にとどまるときは、シーンを変えてカゼに追いついたことになります。
ここでシーンが変わるか否かは、オーヴァードライヴの効果など、かなり重要な問題となります。
どちらにしても、一般的には「勝利につながる≪脱出≫」とは言えない以上、原則として神業経験点は入りません(例外あり)。
≪チャイ≫≪天罰≫も、当然≪脱出≫の打ち消しに使えます。シーンが変わるか否かは、よく解りません。
2.応用問題
≪天変地異≫を打ち消せるのか。
ここは、私の神業談義理論の欠点の一つです。
私の見解に素直に従うとき、≪天変地異≫の効果である「自然現象」と≪脱出≫効果である「退場」とは、矛盾し合わないことになるでしょう。結果、≪天変地異≫はヴィークルを破壊し、≪脱出≫はヴィークルの乗員を退場させます。
ところが、エクリプスのリプレイでは、≪脱出≫を使って、≪天変地異≫を打ち消しています。
これは、≪天変地異≫の効果である「自然現象」という「状況」から≪脱出≫した結果なのでしょう。
思うに、状況に限られずに≪脱出≫を打ち消し可能な神業があまりに少ないことを考えると、ゲームバランス的には≪天変地異≫と≪脱出≫との打ち消しは認めるべきなのでしょう。これはRL判断に委ねられます。
アラシの神業、≪突破≫について。
これは完全に神業の文言から離れることになりますが、感覚的には、≪脱出≫と≪突破≫とは、互いに打ち消し合う関係であって貰いたいと思います。やはり、カゼとアラシは、同じヴィークルを駆りながらも、その生き様・アイデンティティで対立していてもらいたいものです。アイデンティティで対立する以上、神業においても対立しておいて貰いたいと思うのです。ここは、≪死の舞踏≫と≪難攻不落≫とが矛盾し合う関係と同じだと考えたいのです。
≪完全偽装≫≪不可触≫に追いつけるのか。
これまでの人生全てにけりをつけ、新しいアドレスのもとで新たな人生をはじめたキャラクターに追いつくことは可能なのでしょうか(無効化)。もし、このような≪脱出≫が認められるならば、≪完全偽装≫≪不可触≫はカゼの殺し屋から逃れることは不可能になるため、問題となります。
確かに、ここで「どんな状況でも」絶対に追いつくという文言を素直に解釈すれば、このような場合も≪脱出≫が認められるようにも見受けられます。
しかし、このような場合、≪脱出≫するカゼは、相手の存在を認知していません。社会的には、その存在自体否定されています。追いつくべき対象が存在しない以上、「どんな状況」であっても「追いつく」ことは絶対に不可能です。存在しないものに追いつくことはあり得ないのです。
また、このような解釈は、神業ルールの趣旨、「キャラクターのスタイルを特徴づけるため」にも合致します。ID抹消と言った社会戦は、カゼのお仕事の範疇外です。
以上から、≪脱出≫を使うことで≪完全偽装≫≪不可触≫を無効化することは認められません。
友人に指摘されて気が付いたことですが、≪脱出≫はカゲムシャの≪神出鬼没≫やアヤカシの≪霧散≫に対し、思わぬ切り札になります。どちらも、表舞台から退場することによって、あらゆる被害から回避させる・する神業だからです。一時的に退場したにすぎない以上、≪脱出≫によって絶対に「追いつく」ことは可能です。
もちろん、自分が身代わりに死んだとする使い方をされた≪神出鬼没≫を≪脱出≫で無効化することは不可能です。
また、≪霧散≫については、退場先がアストラル界であることが問題となります。
果たして、追跡先として≪脱出≫はアストラル界まで許容するでしょうか。これは、神業ルールの趣旨、「キャラクターのスタイルを特徴づけるため」をどのように考えるかにかかります。
しかし、一度≪霧散≫したアヤカシも、必ず己の飢え・渇きを癒しに、狩りをするために、現実界に戻ってきます。仮に私と異なり、アストラル界への≪脱出≫を認めないとしても、アヤカシが現実界に戻ってきた瞬間を狙って、≪脱出≫で追いつけば良いだけです。…狩人であったはずのアヤカシが、逆に狩り立てられる獲物に成り下がった瞬間です。その時の彼の心情はいかなる物でしょうか?
そうそう、≪脱出≫間際のカゼに対し、≪真実≫で「お前!何処に逃げようって言うんだ!!」と訊くのも一興でしょう。後にその場所への登場判定に成功できれば、≪脱出≫を無効化できます。ただ、これは使い方としては一発芸に近いものがあります。多用すべきではないでしょう。
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