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GM:Na3氏。今回の企み人。GMの設定によれば、この世界は、通常の魔獣の絆とは異なり、魔と人とが近しい関係に立っているという設定になっている。すなわち、PCは半魔という一種族ではなく、あくまで人間であり、たとえば昔話で嫉妬に狂った女性が鬼となる、そんな世界らしい。人とは鬼であり、鬼は人である、そんな世界の物語だ。とはいえ、そういう世界にも関わらずやっていることがただのギャルゲーというあたり、アレでナニなのだが。
前回までで、夢の中の狼が友美を食べてしまったことが明らかになった。狼に食べられてしまった友美は、近い内に消え去る(=忘れ去られる)らしい。びんすけと呼ばれた悪魔は、囁く。
「魂ひとつで、どんな願いも叶えます」
火塚:ぐっは、シーンが切れてしまった!?
GM:まあ、しかたがないねえ
火塚:ちなみに、本当は、「狼も夢を見るの?」と聞きたかったのじゃよ。
美都里:「ああもう、なんでこう、イライラするのかなぁ?」
びんすけ:「っは、これだからお子さまランチは」
美都里:「なによそれぇ」
びんすけ:「じゃあ聞くけどさあ、お前、もらって嬉しいのは、花束か? キャラメルのおまけか?」
美都里:「わたしは、ティファニーのペンダントが良いなぁ。女優さんが付けていたペンダント、奇麗だったなぁ」うっとり
びんすけ:「やっぱり、お子さまランチじゃねーか。キャラメルのおまけと大してかわらねーじゃんかよ」
三雲:「あれは…?」
あすみ:「ありゃ、兄貴にも、ついに春が訪れたのかしらん?」
夏の終わり、少し強めの風は、日差しを和らげてくれる。美都里と友美とは、屋上で仲良く食事をしていた。
友美:「美都里、三雲君のこと、好きなんでしょう?」
美都里:「え、うーん、なんて言うのかな、そういうんじゃなくて……」と、ぶちぶち呟きながら箸でご飯をかき混ぜています(びんすけ:「行儀が悪いんだよ」)。
友美:「ほらほら、白状しなさいって」
美都里:「もう、そういう、ともちゃんこそ、どうなのよ?」
友美:「え? わたしは、うん、あはは、みんな、好きだよ」
美都里:「また、そういうことを言う(溜息)」
友美:「私たち、友達でしょう。ほら、正直に話してごらん。相談に応じるよ」
美都里:「………うーん、多分、好きなんだ、ろうな、(何か、思い至ったらしく)うん、多分、好きだよ」
友美:「あはは、良くできました!」と、抱きつきます(笑)。
美都里:む、では、ともちゃんと暫くじゃれついたところで、「じゃあ、ともちゃんの相談に応じるよ。だから、正直に話して」
友美:「うん?」
美都里:「も一回聞くけど、今朝、どんな夢を見たの?」真面目な顔つきで<見透かす瞳>
友美:(ころころ)対…防御側有利ね。とは言え、嘘を付くのも気が引けるので「みんなが、ずっとずっと、変わらず、いっしょにいるっていう夢、だよ…」
美都里:(みんな…か、そこには、友美はいるのかな?)「良く、言えました! わたしは、ともちゃんの味方、だよ。だから、アドバイス。夢のことは、誰にも話しちゃ駄目だよ。でも、本当に、本当に、大事なときは、本当に話べき人に、真実、ありのまま、話してね。約束、してね?」
友美:「………」
美都里:意を決し、友美に軽く頷きかけて、声をかけます。「ね、三雲君、ちょっと、部活で買い出しに行かなきゃいけないんだ。結構荷物多いから、手伝ってくれない?」←手芸部
三雲:「ん…ああ、まあ、いいぜ」と言いながら、鞄を携えましょう。←帰宅部
友美:「……」
美都里:三雲は友美に挨拶しないのか…三雲を肘で軽く小突いて「あ、それじゃ、ともちゃん、また、明日」
三雲:「あれ、友美も一緒じゃないのか?」
友美:「ううん、部活があるから。じゃあ、美都里、また明日」
解説
このシーンには、みっつ目的があります。
ひとつは、三雲をデートに誘うこと。ヒロイン宣言ですね。
ひとつは、三雲とふたりで話をすること。PC間で情報交換をしたかったのです。
ひとつは、友美に、「また明日」と呼びかけたかったからです。できれば、三雲にも「また明日」と言ってもらいたかったのですが…。
美都里:「ともちゃんね、みんながずっといっしょにいるっていう夢を見るんだって」
三雲:「いいんじゃーねーの、みんな、いっしょなら」
美都里:「む…もう、三雲君、本当に、分かって言っているの? びんちゃんから、事情は、聞いているんでしょう?」と、言いながら、びんちゃんを三雲に押しつけましょう。
三雲:「分かっているよ…でも、それは、口には出せないこと、だろう」
美都里:「うん、分かっているじゃない。だから、夢のことは、誰にも話しちゃ駄目だし、ともちゃんに全部喋らせたら駄目だよ。でも、本当に、本当に、大事なときは、みんなに話すべきだし、ともちゃんから全部聞かなきゃいけないの。それだけは、忘れないでね」
美都里:「え!? うそ、それって、もしかして……ああもう、いやだなぁ」ぷしゅうと、机に突っ伏す。
三雲:そろそろ登場しましょう。ここは、話をよりややこしくするために、京華先輩と一緒に登場します。
廊下から、三雲の声が聞こえてくる。
「え、先輩、そうなんですか?」「ははあ、面白いですね、先輩」
「どうやら、ご当人の登場のようだぞ」と、克也。眼鏡を押し上げ、分かり切っていることを解説する。
「おはよう」
音を立て、扉が開く。予想通り、三雲翔がそこにいた。
そして、予想していない人物。黒髪のストレート、かわいらしいお人形のような女性がそこに立っていた。有り体に言えば、日本美人だ。
「……」
克也は、声にならない声を上げる。橘京華と三雲翔との取り合わせがそれほどまでに意外だったのだろうか。
美都里:「ちょ、ちょっと、なに!? 誰、あの人!」
あすみ:「橘京華先輩。兄貴が熱を上げている相手よ」
美都里:「って、ええ、うっそ、これ以上、ややこしくなるのぅ。勘弁してよ、もう……」と、机に再び突っ伏します。
友美:「しかたがないよ、三雲君、カッコイイし、先輩、奇麗だし」
美都里:む、そういう女か、友美という女は。むかついたので、ほっぺつねってやろう。
友美:「いたいいたい、なに? なに? 美都里?」
美都里:あすみの右隣に座ります。個人的には、友美は、あすみの左隣(か、三雲の隣)に座って欲しいな。
友美:(にやり。)美都里と同じ右隣に座ろうとして、鉢合わせになって「あ、ゴメン」。“美都里の右隣”に座ります。
美都里:またか…またなのか、この女は。むかついたので、友美のほっぺをつねってやろう。
友美:「いたい、いたいって、美都里」
あすみ:「え? なに? なに?」
友美:「うん、なんだか、良くわかんないんだけど、昨日のラジオの占いみたい」
美都里:…ふん、だ。じゃ、女三人そろったことだし、友美に簡単にあやまってから、姦しくおしゃべりしましょう。昨日のラジオがどうだとか、美味しいケーキ屋の話とか、お化粧やお洋服の話とか、そういうたわいのない、男の子が介入できそうにないお話を。
三雲:うわ、ひっでー、蚊帳の外かよ!
美都里:ある意味、それが目的なので(笑)。
GM:じゃー、友美とあすみが、必死になってフォローしましょう。友美とか、「三雲君はどう思うの?」とか振ってみたり。
美都里:あー、むかつく女だ。ぼそりと、友美とあすみにだけ聞こえるように呟きましょう。「いつも煮えきらないくせに、こういうときは、積極的なんだから」
三雲:…
GM:…え、ええと、ふたりとも、愛想笑いを浮かべるのだな。んで、友美が、「あ、ああ、そうだ、わたし、部活の打ち合わせがあったんだっけ?」席を立ちます。
美都里:(だん! と机を叩き)「ともちゃん、打ち合わせって、明日じゃなかったっけ?」
友美:「あ、ああ、そうだったっけ? あはは、わたし勘違いしていたみたい」
美都里:「なによ、さっきの、煮え切らない態度。都合が悪くなると逃げだそうとするし、ともちゃんは、いつも、そう」
友美:「…なによ、それ。別にわたしは…」
美都里:「別に、なによ。はっきりしてよ。大体、昨日も、ともちゃんが好きな人、誰なのか教えてくれなかったじゃない」
友美:「…はっきりって言うけどさ、じゃ、美都里はどうなのよ? 三雲君のこと、好きなんでしょう? はっきりすれば、いいんじゃない」
美都里:「それは…ともちゃんが、はっきりしないからであって…ともちゃんがはっきりすれば、わたしもはっきりするわよ」
友美:「なによ、それ」
美都里:「ともかく、はっきりしてよ、ともちゃんが好きな人は、誰なのよ」
友美:「…わたしは、みんなのこと、大好きだよ?」
美都里:…あ、すっげー、むかついた。友美のほっぺを思いっきりつまみ、睨みつけます。<見透かす瞳>。身長差、15センチはありそうだから、威圧感は結構なものでしょう。
友美:(ころころ)…ダイス目は同じ…防御側有利か。とはいえ、情報が全くないのも寂しいので、「美都里のこと、大好きだよ」
美都里:「………(さらに、睨みつける)その、大好きって、三雲君とか、克也君とか、あすみちゃんとかに対する“好き”と同じなの? 別なの?」
友美:「同じ、だよ」ただ、その上に、さらに別の何かが付与されているだけで。
美都里:………それは、我慢の限界っぽい。思いっきり、手加減抜きで、平手打ちをします。<猫の腕>。ふっとばすぐらいの勢いで。ダメージは、勘弁してください。
友美:一歩も引かず、睨み返します。こちらも、我慢の限界っぽい。
美都里:…
友美:…
美都里:…
友美:…ふむ、踵を返して、トイレを出ますか。
美都里:「(あわてて)ちょっと、まだ、話があるの!」肩を捕まえます。
友美:「わたしは、美都里のこと、大好きだよ」振り切ります。
美都里:………っ! 個室に駆け込み、ドアを閉め、鍵を掛けます。バタン、ガチャ。
GM:シーン終わり。
黒緒:なんか、ふたりの関係が良く分かるよね。
火塚:多分、美都里がいつも無茶なことやって、友美が切れて論破するんだろうね。んで、美都里が泣き出して、友美がそれをなだめて元のさやに収まる…と。
黒緒:難儀だ…。
三雲:こっそりと部屋を抜け出します…む、<隠れる>失敗。
克也:授業を抜け出す手伝いをしますか。「どうした、顔色が悪いぞ、あたったか?」と、大声で。
三雲:くそう、助かるぜ、克也。「あ、あはは、すみません、トイレ、行ってきます」と、腹を軽くさすりつつ。
GM:んで、誰の絆判定を? ちなみに、屋上に行くと友美ルートに、トイレに行くと美都里ルートに、引き返すとあすみルートに入ります(笑)。実際は、絆の判定に成功したところに登場するんだけど。
黒緒:畜生! ギャルゲーかよ! まあ、万が一、女子トイレに入ったことがばれて発言力を下げるのはいやだから(←それはガンパレだ)、友美に会いに行きましょう。
ふたりを捜して、屋上に出ると、果たしてそこには、友美がいた。空を眺める友美に、一瞬気後れをするが、三雲は意を決して声を掛ける。
「友美?」
振り返る、友美。いつもと感じが違う。
頬が赤く張れている…それだけじゃない。いつもと決定的に違う感じ。目が、座っているのだ。
「あれ、三雲君、どうしたの?」
「…どうしたって…ふたりとも、授業に出ていないから心配になって…おい、美都里はどうした? 何かあったのか?」
「なにがあったと思う?」
「…喧嘩、したのか?」
「あたり。ねえ、三雲君は、美都里のこと、どう思っているの?」
黒緒:うわ、目がすわっているよ、友美の奴!
GM:へなちょこな答えをすると、「意気地なし」とか言っちゃうよ?
黒緒:と言っても、いまのところはまだ、特別な感情を懐いているわけじゃないしなぁ。
「美都里は、いい娘だから、大切にしてね?」
そうとだけ言って、友美は、三雲の側を通り過ぎ、屋上をあとにする。
「美都里、泣いているから、慰めてあげて」
友美は、その言葉だけを、残した。
黒緒:…慰めろと言われてもなぁ。
火塚:クソ! この、へにゃちょこやろう! 泣いている女ひとり、慰められないのですか! それでも男ですか!?
黒緒:どこにいるかすら分からないからなぁ。とりあえず、絆判定かしら?
火塚:私にシーンを回してください。愛をあげるから、登場して。
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