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シナリオの目的
皆さん、『鶴の恩返し』という昔話をご存知ですか?おつうと与ひょうの、物悲しい別れのシーンは、戯曲『夕鶴』でとても有名です。ですが、残された者たちはいったい何を考えるでしょうか?特に、鶴と若者との間に子供が生まれていた場合、その子供は何を願うでしょうか?何を望むでしょうか?…今回は、そんなお話です。
シナリオの概要
季節は秋。都に立ち寄ったプレイヤーキャラクター(以降、PC)たちは、着物問屋『つるや』のご主人から護衛の依頼を受けます。子供たちを連れて、妻のお鶴を探し出してもらいたいというのです。お鶴の正体は、かつて恩を返しに来た鶴です。
PCたち一行はお鶴の羽根に導かれ、山奥に分け入ります。母の試練なのでしょうか、一行は幾多の困難に出会います。
いいかげん都に引き返すのも面倒なところで、一行は山賊たちの襲撃を受けます。何故、自分がさらわれなければならないのか?お鶴の娘お繕はこの世の理不尽を口にします。
そして最後の試練として、山賊の頭領が一行に立ちはだかります。
頭領を倒した一行は、ついにお鶴を探し当てます。母娘の対面。ですが、次の日PCたちは年老いた鶴の屍骸を見つけます。
果たしてPCたちは、お繕にかける言葉を見出しうるでしょうか?
シナリオの流れ
シナリオは、以下の流れに沿って進行します。
第一夜「童話の世界に迷い込む」
(シーン1から4)
話への導入と、NPCの紹介です。
第二夜「そして、お話は動き出す」
(シーン5から8)
母の試練と軽い戦闘。シナリオにおける障害です。
第三夜「理不尽とは、理が尽き果てないと書く」
(シーン9から11)
ヒロインお繕とPCたちの交流。
第四夜「魔法は解ける」
(シーン12、13、14)
エンディングへの一連の流れです。
アーキタイプについて
いくらかのプレイを経て、本シナリオに絡みやすいアーキタイプと絡みにくいアーキタイプがあることがわかっています。本シナリオに限らず、≪天羅万象≫をプレイする場合、シナリオに入りにくいアーキタイプがあることが多々あります。これを参考に、シナリオを作る場合にどんなアーキタイプが活躍しやすいかと考える癖をつけると、セッションがスムーズに進むようになるでしょう。
●適しているアーキタイプ
■傀儡、戦闘用傀儡、姫
ぜひ使いましょう!主役になれること請け合いです。ライバルとして、友人として、まだ見ぬ母として、お繕と接していくことでしょう。
ただ、傀儡、姫は、護衛として雇われる理由が希薄です。保護者同伴という形で、他のPLの同意、協力が絶対に必要となりましょう。そのことをPLによく諭しておく必要があります。決して、暴走プレイに走らせないように!
■ヨロイ乗り、無宿、少年
彼らは、家族の愛情に飢えています。傀儡などと同じく、主役候補といえます。ロマンスの相手としても申し分ありません。
■サムライ、蟲サムライ
なんと便利なのでしょう、『一番大切なものの死』。主役から脇役まで、幅広くこなせます。
■鬼サムライ、鬼法師、半妖
人ではない、ということが、お話をより深く掘り下げてくれるでしょう。彼らは、人でないが故に、人には見えないものを見ることができます。
●適していないアーキタイプ
■金剛機
一介の商人が、金剛機に護衛を依頼するでしょうか?つまり、そういうことです。
鍵となる因縁
■『お繕に対する感情』
感情の中身は問いません。対抗意識であろうが、恋愛感情であろうが、同情心であろうが、かまいません。お繕を気にかける、ということこそが重要です。少年などであれば、『恋愛感情・興味』、姫ならば『対抗意識』、それ以外であれば『守るべきもの』、といったところでしょうか。
よりひねたPLならば、『人ではないものに対する同情・哀れみ』を抱くかもしれません。
■『母親』『家族へのあこがれ』など
おめでとうございます。あなたはよほどプレイヤーに恵まれたのでしょう。セッションの成功はほぼ保証されました。
感情の中身は問いません。母親に対して憎しみを抱いていてもよいのです。PLに、よほどセッションを崩壊させようという意図がない限り、お繕とPCとの間でドラマチックな和解があるでしょう。いえ…意図もなく、セッションを崩壊させる、困ったPLもいるようですが…。
■『一番大切なものの死』
スタンダードなものとして、『妹』。シナリオの意図を見抜いたPLならば、『母親』と解釈してくれるでしょう。
■『弱者に対する憐れみ』など
『お繕を守る』と同じ効果があります。
■『物事に対する知的好奇心』『美の探求』
“羽根”という存在から、とりあえずシナリオ介入の動機とはなります。脇役に徹することを自覚していない限り、これらの因縁だけでは、セッションを乗り切るのは難しいでしょう。
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