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登場人物
■お繕 十二歳 少女
「…ねえ、何でお母さん出てっちゃったのかなあ」
『おせん』と読みます。着物問屋『つるや』のご主人の長女です。勝気な性格で、他人を威圧するような
そぶりをします。ですが、実はとても寂しがり家です。時に、つい弱音を吐くこともあるでしょう。
お母さんに会いたい、会ってたくさんお話がしたい。母のぬくもりを求めています。
お繕にとって一番大切なものは異母兄弟の太郎です。継母は嫌いですが(「だってあの人冷たいんだもの」)、継母の息子、太郎はとても大好きです。しかし、太郎はお繕にとって、未だ幼く、頼りない存在です。だから自分がしっかりしなくてはならないのです。母のぬくもりを求めるなどという甘えたことは言っていられない。そんな甘えたことを気取られでもしたら、『つるや』の長女として恥であると思ってもいるのでしょう。お繕はますます、他人に威圧的に接してしまいます。
お繕の心情はさらに複雑です。大好きな太郎の申し出とはいえ、見てみたいという単純な好奇心で自分の本当のお母さんに会いに行くことになったのです。しかも、お繕はお母さんの死期が近いことを直感しています。お母さんの死に目を見ずに済ました方が、どれだけ希望が持てようか。今回の旅は、彼女にとって大きな試練となりました。
一人称は「私」。太郎のことは「太郎」、母、お鶴のことは「お母さん」と呼びます。PCたちには「あなた」、親しくなれば「何々さん」と呼びかけます。
※シナリオにおける立場
ヒロインです。始めはPCたちに憎たらしい売り言葉を投げかけ、大人ぶっていますが、時折人恋しい素振りを見せて、PCの関心を買ってください。ポイントは、お母さんに会いたい。今会わないと、もう二度と会えない。だけど、…会うのが怖い。ついつい一人で悩んで、一人で静かに泣いてしまいます。
子供は子供らしく、大人に甘えるべきだと言ってあげてください。
また、「お母さん」という言葉に過剰に反応します。もし、PCたちが「お母さん」を侮辱するような素振りを見せようならば、目に涙を浮かべながら一発ビンタが飛んでくるでしょう。
■太郎 八歳 少年
「でも良かった、あんな笑顔を見せるねえさまは久しぶりです。無理に旅に連れてきた甲斐がありました」
着物問屋『つるや』のご主人の長男。好奇心旺盛な年頃です。始めて見る外の世界に純粋な感動を覚え、何にでも興味を示します。道々で親しくなったPCの袖を引っ張り、疑問をぶつけてきます。
太郎にとって、お繕は異母兄弟にあたります。太郎は厳しいけどとても優しい、お繕ねえさまが大好きです。
愛するねえさまのかあさまに会ってみたいという好奇心が彼を突き動かしました。『つるや』のご主人を説得し、外に出る許可をもらいました。今回の冒険の首謀者です。
とても愛らしい少年です。優しく見守ってあげれば、独りでに成長していくでしょう。
一人称は「僕」。お繕のことは「ねえさま」、と呼びます。PCたちには「何々さん」と呼びかけます。
※シナリオにおける立場
実は、エキストラの一人に過ぎません。あくまでヒロインお繕の引き立て役です。愛らしく、だけど演出上控えめに演じてください。あくまで、PCと絡むべきヒロインはお繕ただ一人です。とても利発で、細やかな配慮ができる少年です。時につんけんとしがちなお繕とPCたちとの間のとりなし役も担います。
GMは太郎を介して適宜、シナリオのヒントを与えてもよいでしょう。
■羽根
PCたち一行をお鶴の下へ導く羽根です。別に、特別なものではなく、正真正銘、ただの羽根です。
※シナリオにおける立場
PCたちを童話の世界、昔話の世界に誘う、水先案内人です。母の愛の具現化でもあり、常にお繕を見守っています。そして、お繕に試練を与えます。
■足軽 中年男性
「これが、現実だ」
彼は狩人です。今回の標的は、一反で千両箱と交換できる反物を織る鶴です。鶴を捕らえて、その反物を織らせようというのです。そのために、お鶴の娘、お繕を人質にしようと、山賊を率いて、PCたち一行を付け狙います。
一人称は「オレ」。PCたちには「キサマ」と呼びかけます。
※シナリオにおける立場
シナリオ最大の障害です。足軽の人生がどのようなものであろうが知ったことではありません。全身全霊を持って排除してください。
■お鶴 中年女性
「娘を、どうかよろしくお願いします…」
お繕の母親です。その正体は年老いた鶴です。夫が機織りを覗いたがために、愛する娘、お繕の下を離れざるを得なくなった女性です。お鶴は、鶴として、年齢の限界に至っています。静かに死を迎えようとしたところで愛するお繕が尋ねてきました。嬉しいやら悲しいやら、複雑な心情でしょう。
一人称は「私」。お繕には「お繕」と、PCたちには「何々様」と呼びかけます。
※シナリオにおける立場
死にゆく者。お繕に絶望を与えます。
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